不動産価格が上昇している時の買い替えの注意点
新型コロナウィルスが社会問題になってから、3年近くが経過しました。
コロナ禍の下での不動産価格の相場動向を見ると、
マンションや住宅の価格が上昇しているエリアが多く見られます。
このような相場の状況から今が売り時です!や高額売却できます!などと
売却を煽る広告を、最近特によく見かけませんか?
将来的に、処分する不動産をお持ちの方でいつ売るか決めかねている方にとっては、
確かに高く売れる可能性があるので、悪い話ではないと思います。
ただ、急いで売却を検討されている訳ではない方にも、
同様に売り時とは言いきれない理由もあります。
中でも「買い替え」を前提とする場合の売却は、
広告の内容に踊らされないよう、十分に考えてから決断しましょう。
目次
中古マンションの価格上昇の理由
マンションや不動産の価格は、世の中の景気の影響を受けるのはもちろんですが、
これだけの理由ではなく不動産の需要や事情によって変動することもあります。
現在のマンションや住宅の価格の上昇は、後者に該当すると思います。
コロナ禍の影響で、実態の景況感は厳しい状況にありますが、
リモートワークの方も増加していることや在宅時間が長くなったという現状もあるため、
住宅購入の需要は明らかに増加傾向にあります。
一方で、売却予定の中古マンション等を保有している方にとっては、
今は生活スタイルを変える決断をしにくい状況。
その結果、購入の希望に対して売り物件が不足気味で、
マンションの不動産価格が上昇しやすい条件になりました。
また、コロナ問題が起きる前から、建築資材の高騰、地価の上昇や、人手不足による人件費の上昇等により、新築マンションの分譲価格が上昇傾向でした。
新築マンションの価格が上がると、それに連れて近隣の中古マンションの価格にも影響があります。
そしてもう一つの価格上昇の要因は
コロナ禍で、新築マンションの供給が一時的に停止したことも、要因になりました。
引越し先が決まっているなら売却はお勧めです!
セカンドハウスを持っている場合や
近所に実家があっていつでも引越し可能な場合など
すでに別の家が確保されている状況なら、
今住んでいるマンションが予想より高く売れることは、
売却を進めるいい時期といえるのではないでしょうか。
一方で、そのような別宅がある訳ではなく、売却後に買い替えが必要になる場合は、
物件が高く売れる時は、購入したい住宅の価格も同様に高くなっているということを、
認識しておかなければなりません。
同じエリア内の不動産なら、今所有しているマンションの価格だけが上がっている訳ではなく、
他の物件の価格も高くなっていると考えるべきです。
高く売れたら、売却代金を原資にして今より大きな家に引っ越したい
そういう考えで売却される方も多いとは思いますが
それほど都合よく行くものではありません。
高く売れたとしても、買い替える物件も同様に高ければ、
経済的なメリットは実質的になくなってしまします。
買い替え先の選択で気を付けること
今の自宅を高値で売却後、あまり価格が上がっていない住宅、
つまりお買い得な住宅に買い替えることができれば、経済的には理想です。
次にあまり価格が上がっていない住宅を、どのように見つければいいのでしょうか?
その方法をご紹介します。
1つ目は買い替え先の住宅のエリアを変更することです。
近年の住宅価格は、値段が上がっているエリア、あまり変わらないエリア、下がっているエリアが混在しており、
すべての不動産の価格が同様に変動している訳ではない状態です。
統計やインターネットを参考にして、価格があまり上がっていないエリアで売出し中の住宅を探せば、
お買い得な価格の物件が見つかる可能性があります。
しかし、ここで注意したいことは、今価格が上昇していないエリアというのは、
将来的な資産価値にも大きな期待はしない方がいいという点です。
人口減少などの理由で不動産価値の二極化が今後も進むと予想されており、
不動産の価格が上がることを予想にしたライフプランを作ると、大変危険です。
買い替えは慎重に
もう1つの方法は、買い替える時期をずらすことです。
これは売却後に一時的に賃貸住宅に仮住まいをしながら、
不動産価格の動向を見て、買いやすい価格水準に落ち着くまで待って
購入するという方法もあります。
ただ、この方法は買いやすい価格水準にいつなるのか誰も予想できず、
ずっと購入したいエリアの不動産価格が下がらないかもしれません。
このことから、買い替えの期限が決まっているような事情がある方は、
かえって困難な状況に追い込まれてしまう可能性もあるので、注意が必要です。
いずれにしても、投資が目的の不動産なら、売却して利益を得たら手仕舞いにすることも可能ですが、
ご自身やご家族が居住するためのマンションや住宅については、高く売って終了、ではありません。
まとめ
ご自宅の買い替えは簡単に決めるべきではなく、
必要性や優先するべきことを踏まえて、慎重に判断する必要があります。
売却や買い替えをどうするべきか迷ってしまった時には、
信頼できる専門の不動産会社にご相談ください。